家庭学習中、お子さんから「これ分かんないから教えて!」と言われたとき、どう対応していますか?
「どれどれ…って、これ昨日もやった問題じゃない!」とイラッとしてしまったり、
頑張って解説を読んだけれど「ママ(パパ)の教え方、塾の先生と違うから分かりにくい」と言われて大喧嘩になったり……。
塾の宿題が難しくなるにつれ、家庭内がギスギスしてしまうのは「中学受験あるある」です。
でも、安心してください。親御さんが算数の問題を解いて教える必要は、1ミリもありません。
実は、子どもから「分かんない」と言われた瞬間こそ、我が子の地頭を爆発的に伸ばす最大のチャンス。プロ家庭教師として数々の生徒を伸ばしてきた私が、親子のバトルをゼロにし、子どもの思考力を覚醒させる『魔法の質問返し』をお教えします。
1. 伸び悩む子の「分かんない」に隠された甘えの罠
子どもが口にする「分かんない」という言葉には、実は2つの種類があります。
1つは、本当に頭を悩ませて限界まで考えた末の「分かんない」。
そしてもう1つが、「考えるのが面倒くさいから、早く解き方を教えて(作業を終わらせたい)」という甘えの「分かんない」です。
⚠️ 思考停止を加速させるNG対応
子どもに言われるがまま、親御さんが解説を読んで「これはね、まずここに線を引いて…」とイチから丁寧に教えてしまうこと。
これをやると、子どもは「自分で考えなくても、フリーズすれば親が答えまで運んでくれる」と学習し、ますます自分の頭で考えない『指示待ちマシーン』になってしまいます。
親御さんが目指すべきは「わかりやすい解説の先生」になることではなく、子どもが**「どこまで分かって、どこから壁にぶつかっているのか」**を自力で見つけさせるナビゲーターになることです。
2. プロが実践する、思考を止めない「質問返し」の技術
私が指導現場で生徒から「先生、これ分かんない」と言われたとき、絶対にすぐには教えません。代わりに、笑顔である「質問」を投げ返します。
それが、「どこまでは分かった?ノートのどこまで手が動いたか教えて」という質問です。
こう聞かれた子どもは、ハッとして自分のノートを見つめ直します。
「問題文の条件を整理して、図を描くところまではやった」
「この公式を使うところまでは分かったけど、その次の計算が合わない」
このように、全体を「分かんない」と丸投げするのではなく、分かっている部分(セーフティエリア)と、分からなくなった境界線(バグの発生地)を自分で切り分ける訓練をさせます。
これこそが、初見の難問に出会ったときに「諦めずに手を動かす力」へと直結していくのです。
3. 今日からバトルが消える!親ができる「3つのステップ対応法」
今夜、お子さんから「これ教えて」と言われたら、次の3つのステップを順番に試してみてください。親御さんは数学の知識ゼロで対応可能です。
ステップ1:問題文を「声に出して」読んでもらう
「まずは問題文をお母さんに音読して聞かせて?」と頼んでみてください。実は、子どもが「分かんない」と言う原因の7割は、問題文の読み飛ばしや勘違いです。声に出してゆっくり読むだけで、「あ、そういうことか!」と自己解決する子が驚くほどたくさんいます。
ステップ2:「どこまで挑戦した足跡があるか」を見せてもらう
真っ白なノートのまま持ってきたら、「1行でもいいから、分かるところまで作戦を書いてごらん」と優しく突き放します。ノートの余白に書かれた泥臭い図やメモの形跡(足跡)があって初めて、質問を受け付けるルールにしましょう。
ステップ3:解説の「最初の1行」だけを一緒に見る
どうしても進まない時は、親が教えるのではなく、解答解説を一緒に開きます。そして「最初の1行目(または最初の図)だけ」をチラッと見せて、「ヒントはここまで!続きはどうなりそう?」とバトンを戻します。自分で最後のゴールを踏ませることで、達成感と自信が育ちます。
今回のまとめ
子どもの「分かんない」は、親へのSOSであると同時に、思考力を引き出すための最高のトリガーです。
綺麗に分かりやすく教えてあげる必要なんてありません。
「どこまで頑張ったの?」「ここまでの足跡、めっちゃいいじゃん!」と、子どもの試行錯誤に寄り添ってあげるだけで十分です。
教えるプレッシャーから解放されて、今夜からぜひ、我が子の「地頭を育てる質問返し」を楽しんでみてくださいね。

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